事例概要:沿岸地域の橋梁床版で、塩化物の影響に関連したコンクリートの劣化が発生していました。既存の鋼製鉄筋は腐食しており、ひび割れやコンクリートの剥離、繰り返し行われる補修につながっていました。床版の更新にあたり、HotFRPは新しい床版の補強材としてガラス繊維強化ポリマー(GFRP)鉄筋を供給しました。本プロジェクトでは、鋼製鉄筋に生じる錆のメカニズムを避けるためにGFRP鉄筋を使用し、コンクリート床版を更新する基本的な構成は維持しました。
プロジェクトの背景
橋梁は凍結防止剤や塩分を含む空気にさらされていました。時間の経過とともに塩化物がコンクリートのかぶりを通過して鋼製鉄筋に達し、腐食による膨張がひび割れ、層間剥離、コンクリートの剥離に影響していました。床版の更新前には、複数回の局部補修が行われていました。
床版更新の計画段階で、プロジェクトチームは、塩化物環境でも鋼材と同じ錆のメカニズムを生じない補強材を検討しました。新しい床版にはGFRP鉄筋が選定されました。
材料選定と設計
HotFRPは、設計者が指定した径と長さのGFRP鉄筋を供給しました。GFRP鉄筋は、連続したガラス繊維を熱硬化性樹脂マトリックスに埋め込んだものです。鋼製鉄筋とは異なり、GFRPは非金属材料であり、水分や塩化物にさらされても鋼材と同じようには錆びません。また、鋼材より軽量であるため、現場での運搬や配置も容易になりました。
GFRPは、弾性係数やコンクリートとの付着挙動など、鋼材とは異なる機械的特性を持つため、鋼製鉄筋をGFRP鉄筋へ単純に1対1で置き換えて補強設計を決めることはできません。鉄筋径と配置間隔は、GFRPで補強する床版について設計者が決定しました。
鋼製鉄筋との施工上の違い
施工チームにとって、主な違いは運搬と切断でした。GFRP鉄筋は鋼製鉄筋より軽量ですが、切断には通常の鋼材用カッターではなく、適切な研削工具などの認められた工具が必要です。本プロジェクトでは現場での曲げ加工は行わず、必要な曲げ形状はあらかじめ成形された鉄筋として供給されました。
また、GFRPは鋼材より剛性が低いため、コンクリート打設時には鉄筋の支持、間隔、位置を適切に管理する必要がありました。施工チームは、打設前および打設中に鉄筋を所定の位置に保持できるよう、運搬や配置の方法を調整しました。
プロジェクトの結果
コンクリートの打設と養生の後、更新された床版は完成し、供用が再開されました。本事例は、塩化物にさらされる橋梁床版にGFRP鉄筋を使用する際、材料特性の違いを考慮して補強設計と施工方法を設定することの重要性を示しています。
本事例は、塩化物への曝露が設計上の要因となるプロジェクトで、鋼製鉄筋に代わる補強材としてGFRP鉄筋を検討する際の参考になります。ただし、本事例だけから特定の耐用年数やメンテナンスフリー期間を示すことはできません。これらの評価には、プロジェクト固有の長期性能データが必要です。















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